あっという間に8月に入りました。
近年は、9月10月まで夏かと思うような気候ですが、8月というと夏も終盤という気分になりますね。
特に今年は、猛暑日の連続には辟易していて、秋が待ち遠しいです。
実は今、依頼が途切れて2,3日調査なしで、ちょっとした夏休み気分なんです。
仕事がないのは困るんですが、夏バテ気味だったので体調を整える為には良かったのかな。
という訳で、ブログの更新等に力を注ぎたいと思います。
探偵の仕事というと、尾行や張込みの調査ばかりに焦点が行きがちですが、実は報告書というものが凄く重要で、労力も時間もとてもかかる作業なんです。
でも助かることに、意外と頼まれることは少なく、統計は取ってませんが10件に1つというところでしょうか。
ほとんどの人は、時間とお金と労力のかかる裁判は考えてないので、相手を納得させる証拠の写真と動画を重視してる為、「報告書はいらないから安くして!」が多いです。
とても大変な報告書ですが、ある条件が重なると3倍、4倍、いや泣きたくなるほどの事態になるんです。
例えば浮気調査でいうと、数日調査して「全く浮気をしていない」時の報告書です。
滅多にありませんが、県外で頼まれた案件で、それが起こりました。
3日間頼まれたのですが、初日・2日目と全く怪しい行動はなく、対象者は真面目に仕事をこなしていました。
依頼者は60代後半の男性で、浮気を疑われている奥さんは50代前半でした。
今日では50代と言っても若々しい綺麗な人は多いですが、その奥さんは「え、この人が浮気?」という容貌で嫌な予感はしてましたが(すいません、あくまで個人的な感想です)
3日間の調査は連続ではなく間隔が空いていて、中間報告をした時に最終日は3日後が決まってました。
しかしこの旦那さんは、「どうも妻は、尾行を感づいているようだ。」から調査日をずらしたいと言ってきました。
自分も「そんなことは絶対ありませんが、もしご心配なら1週間ほど空けてみますか?」と提案したところ、この旦那さんは、「明日にして欲しい。」と言うんです。
尾行がバレているのを心配なら、後にずらすべきなんですが、旦那さんは明日を譲らないので、仕方なく調査日を明日にすることを承諾しました。(この時点で、この依頼者はちょっとおかしいと感じてました。)
調査当日、奥さんの尾行が始まりました。
この奥さん、ある商品の営業・配達担当で、この道20年ほどのベテランドライバーで、裏道ガンガンで尾行がめちゃくちゃ大変で気を遣うんです。
3件目ぐらいだったか、助手席に男性の影が、、、。
「お、ずらして正解か、さすが旦那さんの予感的中か!」
そこでは写真が取れず、次の配達先でチャンスが訪れました。
カメラの望遠で寄ったところ、なんと助手席の男性は依頼者である旦那さんだったのです!
「こ、これはいったい、、、。」しばらく声も出ませんでした。
(だいたいあんたが乗ってたら、浮気できるわけないじゃん!)
午前中いっぱい、夫婦の写真を撮らされ続け、お昼前に旦那さんは降りましたが、奥さんは午後もまじめに仕事をして、その日の調査も浮気はなく終了。
こんな調査の報告書って、どうしたらいいと思います?
結局、いろいろな所に真面目に配達と営業をこなしている奥さんの写真集が出来上がりました。
浮気をしている証拠は簡単ですが、浮気をしてない証拠は、全ての配達先で一人で仕事をしている写真が必要であり、膨大な映像と画像の編集作業で通常の何倍も時間がかかりました。
この旦那さんは、もしかしたら認知症が始まっていたのかもしれません。
自分も、サービスで2週間ほどGPSで行動調査をしましたが、浮気の兆候は全くありませんでした。
ありがたいことに、報告書は郵送を頼まれていたので、電話での浮気は無かったとの報告と報告書の郵送で、調査は終わりました。
自分たちは、「真実」を伝えるのが仕事であり、あくまで限られた2週間という間ですが、「浮気は無い」というのが結論で、このご夫婦が疑いが晴れて、これから穏やかに過ごせればそれに越したことはありません。
どうか健康で、心も安定した人生をお過ごしください。
報告書の難しさを教えられた貴重な体験でした。